整備士が行う点検は、半年点検・1年点検(12ヶ月点検)・24ヶ月点検(車検)です。車検切れは罰則の対象になりますが、12ヶ月点検の未実施に罰則はありません。お金もかかってしまうので12ヶ月点検はしない人も多いですが、車の安全を守る為に是非やっていただきたいです!
今回はメカニックの主要業務でもある12ヶ月点検ではどんな点検を行っているかをご紹介し、理解して頂くことにより点検に出すきっかけに繋げて頂ければと思います!(※日常点検にも含まれている項目は省略し、12ヶ月点検のみに含まれている項目をご紹介します)
12ヶ月点検は車全体に渡る26項目の点検ポイントがあります。
最初にエンジンルーム内の点検をします。
・日常点検ではバッテリーは液量だけを点検しましたが12ヶ月点検ではターミナル部分の緩みや腐食がないかもチェックします。
・ファンベルトやパワステベルトの状態を点検、必要なら調整を行います。手で押した時の適正なたわみ量は説明書やメンテナンスノートで確認出来ます。同時にゴム部分の劣化状態も見ます。
・スパークプラグの状態もチェックします。しかし10万キロまでは無交換で良く、また最近主流となってきている白金プラグやイリジウムプラグの点検は省略が可能です。
・デスビキャップも点検項目ですが最近の車にはほぼ使われていません。
・エアクリーナーエレメントの汚れや詰まり、損傷が無いかもチェック。汚れが悪化すると目詰まりし、エンジンルームに空気を送れなくなってしまいます。ゴミが溜まっていたら清掃しますが乾式か湿式かで清掃方法が異なります。
エンジンルーム内の点検を終えたら車をリフトにかけて持ち上げます。(※今回は撮影のため頭部の保護を行っていませんが下回りの作業時には頭部の保護をおすすめします)
・タイヤを外す前にタイヤの上下を掴み、揺すってハブのガタをチェック。左右を掴んで揺すった時にガタがある場合はタイロッドなどが痛んでいる可能性があります。ガタの有無についいては判断が難しいが揺すって少しでもガタつくようなら要注意です。
・タイヤを外し、タイヤに付いた異物や損傷を点検。ノギスでミゾの深さを計り記録する。
・ブレーキはパッドの残量を確認、フルード漏れなどがないかもチェック。以前ご紹介した6角レンチを使った計測は表側のパッド残量しかチェック出来ません。パッドの摩耗は車によって表側と裏側で異なる場合もあり、どちらも計測するのが正しい計り方です。タイヤを外すと残量は計測しやすいですが必要に応じてパッドを取り外して計測します。
続きは次回ご紹介していきます!