ブレーキフルードは吸湿性が高く、使用期間に応じて性能が低下して行きます。劣化が進むと効きが悪化したり沸点の低下でベーパーロック減少が起こりやすくなります。フルードの量や状態は車検項目ではなく日常点検で確認するべき箇所とされているため、日頃から量や状態のチェックを行い、最低でも車検時(年2回)は交換しましょう。
交換をする際はフルードは強いオイルなので塗装面に付かないよう注意し、肌や目に付かないよう保護具も使用しましょう。塗装面にオイルが付着すると塗装が剥げる可能性があります。また、ブレーキの作業とペダル操作が必要なので作業は二人以上で行うと安心です。しかしエアツールを使う環境が整っていれば作業を省力化できるツールも活用出来ます。エアを使ってフルードを強制圧送するツールも市販されていますが高価な機材が多いです。
いかなる車にもブレーキは4カ所付いていていますが、タンク内のフルードを入れ替えたとしても配管内に古いフルードが残ってしまうので全て交換をしましょう。
エンジンルームにあるタンクからキャリパーというところまでオイルが運ばれてきます。キャリパーにはブリーダープラグがあり緩めてペダルを踏むと圧送された古いフルードが排出されます。リザーバータンクを空にするとエアが混入し、ブレーキの効きが著しく悪化してしまいます。なのでタンクを時々チェックして空になる前に足してあげましょう。
普通のホースとタンクでも作業はできるが専用のキャッチタンクがあるとやりやすいです。ブリーダープラグにフィットする形状な他ワンウェイバルブがありエアが入りにくいものもあります。ホースを装着したブリーダープラグを緩め、ブレーキペダルを踏むとフルードが出てきます。ホース内を通るフルードがキレイになるまでペダルを踏んでフルードを圧送します。その間もリザーバータンクはこまめに点検しフルードが空にならないよう継ぎ足します。
最後にブリーダープラグを締める時はフルードが流れている状況が好ましいです。なのでまずブリーダープラグを締めた状態でペダルをダフりフルードに圧力をかけます。ダフった後にペダルを踏みっぱなしにし、その間にブリーダープラグを素早く開閉します。ブリーダープラグ付近にエアが入っていてもこの作業でエアを追い出すことが出来ます。締めた後はゴムキャップを戻して清掃すればフルード交換の作業(1カ所)は終了です。
作業はマスターシリンダーから遠い順に行って行くのが効率がいいです。
同じ作業を4カ所全て行ったらリザーブタンクの液量を上限に合わせます。最後にブレーキの踏みごたえを確認し、柔らかければ締め忘れやエア混入が考えられます。もしエアが混入していたら気泡が見えなくなるまで同じ作業を繰り返しましょう。
節約の為に交換をしなかったり、自分でも出来る作業でもあります。しかし不確かな作業は安全性を落とす可能性もあるので作業に自信がない場合は迷わずプロに任せましょう!