【整備士向け】アライメントの調整【メカニックTV】

アライメント調整の解説

前回サイドスリップ調整の解説を行いました。サイドスリップは数あるアライメントの要素のひとつです。サイドスリップはあくまで車検に使う基準のひとつであり、車の直進性には様々なアライメントの要素が関係します。地面とタイヤの接地角度、車体前後方向に対するタイヤの角度、ホイール中心を通る垂線とサスペンションの角度などです。車がまっすぐ走っていてもアライメントが適正値でない事は多いです。厳密なアライメントの測定・調整には専用の4輪アライメントテスターが必要です。例えば左右のトータルトーならタイヤの前後で左右の距離を計測します。計測した左右のタイヤの距離の差がそのままトータルトーのズレになります。糸やメジャーを使ってトータルトーは計測可能ですが、左右それぞれの1輪ずつのトータルトーのズレは計測するのが難しいです(4輪アライメントテスターなら計測可能です)前回紹介した通り、フロントはタイロッドで調整します。リヤはアーム付け根の偏芯ボルトを回して行います。キャンバーは凡庸の傾斜計を使いホイールと垂直に垂らした糸の距離から算出します。社外品のサスペンションにはアッパーマウントやロアブラケットでキャンバー調整できるものが多いです。DIYで厳密なアライメント調整をするのはハードルが高いので、近くの整備工場に持ち込むのをおすすめします。作業や計測の正確性の高さに加え、車種や使い方に合わせた最適値への調整は豊富なノウハウを持ったプロのなせる技です。