KTCさんの久御山工場見学シリーズ その2 熱間鍛造工程をします!【メカニックTV】

引き続きKTCさんの工場見学シリーズ!まずは『熱間鍛造工程』を見学します!

 

最初に見せてもらうのは金属素材から工具の形を作る『熱間鍛造』の工程。

素材を所定の形に切断し、温度は950~1050度で真っ赤に加熱します。しかしこのまま打ってしまうと、うまく肉(金属)が流れず余分なバリも多く出てしまいます。なので切断した材料を予備成形し、あらかじめ大まかな形に変え、これを『荒加工』と言います。

ラチェットのギアが入っている部分は今までは機械加工でした。しかし真っ平らなところから一から削っていくのはとても時間がかかり、工数もかかります。鍛造であらかじめ大まかなギアとクローが入る部分を作ってしまいます。もう熱間鍛造で仕上げに近い形にしてしまいます。これを『ニアネットシェイプ鍛造』と言います。

先ほどの余分な肉(バリ)を『バリ抜き』と言って、カタがあるのでそれに入れて余分な肉を落とします。

ギヤ加工などはもっと先の機械加工工程で行います。

 

バン!と打ち下ろす時の瞬間荷重は、専用ハンマーで約1000倍になります。落下部重量1トンのエアスタンプハンマは瞬間荷重1000トンを発揮します。

ハンマー操作を一人前に扱えるようになるには5年程かかるとのこと。見た目は材料を置いて打つと言う風に見えますが、やはりモノによって材料の大きさも違ったり、ハンドル操作の力加減も難しいです。

また、1回目の荒打ちも2回目と力加減を変えてあります。1度失敗してしまうと製品として使えません。機械の加減ではなく、職人の加減で成り立っています。

 

続いて向かったのは熱間鍛造の工場の裏手。

荒加工→仕上加工→バリ取り後の完成品がありました。常温のように見えますが、1000度近くにならないと赤くならず、これは紙に火がつくほど熱くなっています。

薄皮のようなものが付いていますが、これを『スチールボールショット』で飛ばし、より滑らかにします。

 

次回はもう1つの成形加工、冷間鍛造の工程などを見学します!