「整備士試験対策!シリンダ・ライナ(湿式)とは?」【ミニメカニックTV】第112話

整備士資格試験の暗記ポイント『シリンダ・ライナ』について学んでいきます。その中でも湿式と呼ばれるものについて勉強しましょう。

同じシリンダ・ライナの乾式については以前勉強した動画を参考にして下さい!

シリンダ・ライナそのもののおさらいもしつつ、早速湿式について学んで行きましょう。

 

 

シリンダ・ライナとはエンジンを構成する部品のひとつ…シリンダを構成するためエンジンブロックにはめ込まれる円筒のことを指します。シリンダ・スリーブと呼ぶメーカーもあるので、覚えておきましょう。

 

◎シリンダ・ライナの機能

大きく分けて3つあります。前回学んだ乾式の復習も兼ねて振り返りましょう!

 

①摺動面形成。つまり装置をスムーズに動かせるということです。ピストンとの気密性を保ちつつ、シリンダーを滑らかに往復します。

*摺動面形成に重要なポイント

・耐焼付性が高いこと

・ライナー自体の摩耗が少ない

・ピストンリングの摩耗が少ない

・潤滑油の消費が少ない

これらを満たすことでシリンダ・ライナはピストンとの気密性を保ちつつ、シリンダーを滑らかに往復できるということです。

 

②伝熱。シリンダ・ライナにとって燃焼室内で発生した熱を、ピストンやピストンリングを介して吸収し、エンジン外側にある冷却水まで逃がす力。つまり伝熱性はとても重要な機能となります。

なお、熱をエンジン外側にある冷却水まで逃がす際、乾式は直接水に触れません。しかし今回勉強している湿式は直接水に触れ、ウォータージャケットと呼ばれる水路を形成します。そしてその水路を通過する冷却水に熱を逃がしている、と覚えておきましょう!

 

③気密保持。圧縮気体、燃焼ガス圧が外部へ漏れるのを防ぎます。

燃焼時にガスが漏れてしまったら大変なことになります!

 

こんな優れもののシリンダ・ライナですが、摩耗してしまうと潤滑油消費量が増加してしまいます。そうなる前に交換を心がけましょう!

 

 

最後にシリンダ・ライナの種類について、もう少し詳しく学んでみましょう。

まず一般車のエンジンで広く使われているのは、合金製シリンダ・ライナとなっています。

それとは別に、エンジンブロックそのものにライナーの性質を持たせたライナーレスエンジンと呼ばれるハイエンド品もあります。こちらは主にスポーツ用途で普及しています。合わせて覚えておくといいですね!

 

 

<シリンダ・ライナのポイント>

*エンジンブロックにはめこまれる円筒。湿式と乾式がある。

*摺動面形成、伝熱、気密の役割を果たしている。

*摩耗すると潤滑油消費量が増加する。

◎湿式の場合

外周が直接冷却水に触れる