「ディファレンシャル・ギアの仕組みとは?」【ミニメカニックTV】第107話

今日のテーマ『ディファレンシャル・ギアの仕組みとは!?』

 

 

車は曲がるとき、内側のタイヤと外側のタイヤに回転差が生じてしまいます。それを吸収してくれるパーツが、ディファレンシャル・ギアなのです。

スムーズなコーナリングができるのも、このディファレンシャル・ギアが回転を振り分けているからなのです。

 

ではディファレンシャル・ギアの動きについてより詳しく見てみましょう。

ここではFR(フロントエンジン・リヤホイールドライブ)車と呼ばれる後輪で駆動する車を例にしていますが、車が直進しているときは各タイヤに回転差はありません。

車が真っ直ぐ走っている=各タイヤが同じスピードで回っているということになります。

 

直進時のタイヤの細かい動きを、図を参考にして見てみましょう。

動力はまず、プロペラシャフトを経てドライブピニオンギアに入ってきます。そうして動力を得たドライブピニオンギアによって、リングギアが回されます。そしてリングギアが回転すると、固定されているディファレンシャルピニオンシャフトも一緒に回転します。

そしてディファレンシャルピニオンシャフトによって、左右のサイドギアが同じ速度で回されて、サイドギアと繋がっているアクスルシャフトが回転し、駆動輪を回します。

このように、直進するだけでも車の中ではこのようなことが起こっています。

 

直進時は各タイヤに回転差はありませんでしたが、車が曲がる時は異なります。

回転差、つまり各タイヤの動きに違いをつけることで、直進以外の動きができます。

曲がる時の細かい動きを、図を参考にして見てみましょう。

まず、ドライブピニオンギアに動力が入って来ると、リングギアが回転します。そしてリングギアが回転すると、固定されているディファレンシャルピニオンシャフトも一緒に回転。ここまでは直進時と同じです。

左折の場合、左サイドギアの回転より、ディファレンシャルピニオンシャフトの回転の方が速いです。ここでディファレンシャルピニオンギアが、回転を始めます。

ディファレンシャルピニオンギアが左サイドギアの負荷分の回転を、右サイドギアにプラスして伝えます。すると左のタイヤはゆっくりと、右のタイヤは速く回転します。この場合、左折ができるということです。

 

つまり、車が曲がれるのは、ディファレンシャルギアという縁の下の力持ちがいるということなのです!