【整備士向け】ボールジョイントブーツの交換【メカニックTV】

今日ご紹介する作業はタイロッドなどボールジョイント部のブーツ交換です!

 

最近の車種はブーツ単体ではなくASSYでの交換が主流となってきています。ネット通販などで探せば、最近の車両用のブーツ単品の購入も可能です。タイロッドエンドの場合、ASSY交換ならアライメントの再調整が必要になります。

今回はタイロッドエンドを使っていますが、ロワアームなどのブーツも基本的に同様です。

 

ブーツが劣化してグリスが漏れていると故障の原因になるうえ車検にも通りません。ブーツが破れゴミや水分が内部に入ると、グリスが劣化し異音や破損の原因となります。

 

ブーツとタイロッドエンドの切れ目にマイナスドライバーを差し込み、開きます。中心を貫通させるのではなく、外周部の隙間を少しずつ広げていくように動かします。最後に先端をこじるように動かしてブーツをタイロッドエンドから取り外します。

ブーツがはまる部分の金属面はキズがつくとグリス漏れの原因となるので、マイナスドライバーを差し込んだ後は叩き過ぎに注意!

 

ボールジョイントに付着しているグリスは新しいものに替えるためきれいに拭き取りましょう。

装着する新品のブーツは内部にグリスを充填する必要があります。ボールジョイント部分にもグリスを充填します。このとき全体にうっすら乗る程度でOKです。ブーツ内側で金属に接触する部分はグリスが残らないよう拭き取ると良いでしょう。グリスが残ったままだと滑って抜けやすくなったり、点検した時にグリスが漏れているように見えてしまいます。

 

ちょうどいい大きさのソケットがあれば優しく叩いて入れる事もできますが、今回はウォーターポンププライヤーを使用。奥側を手でしっかりと押さえながら、ウォーターポンププライヤーで縁を押し込みます。無理な力をかけると傷付いてしまうので、少しずつ角度を変えながら入れていきます。慣れていない人は専用工具であるブーツインサーターの使用がオススメです。

ブーツが全周アーム側に密着すればボールジョイントブーツの交換は終了です!最後にグリスが出てきていたら拭き取りましょう。

 

ボールジョイント部の劣化は、縦方向のガタの有無で点検します。元々動くものなのでガタが分かりづらいですが、劣化してくると縦にガタが表れます。ヒビ程度だとゴミや水が入っている可能性は低く、車検は通ってしまいます。しかし、グリス漏れなど深刻な劣化でなくてもヒビがある時点で交換をするのがオススメです。

 

リーズナブルに重大なトラブルを防げるので、ブーツ単体交換は覚えておいて損はありません!