【整備士向け】「ドラムブレーキの分解・調整 その2」【メカニックTV】

前回に引き続きドラムブレーキの整備!

今回はクリアランスの調整などをご紹介していきます。

ドラムブレーキの整備は分解整備が伴うので、分解整備事業者に委託することをオススメします。

 

今回は解説のためにライニングは再使用。アジャスターを短くした状態から調整します。

 

ライニングを新品に交換すると厚みが増すので、その分アジャスターの調整が必要となります。ライニングやドラムの表面の段付きは制動力低下につながるためヤスリなどで整えます。メカドルは新品・旧品関わらずこの作業を行います。

アジャスターを一番短くした状態でドラムを組付けてクリアランスを確認。E12ノートの場合、ドラムブレーキは自動調整タイプでブレーキペダルをダブると最適化されます。しかし自動調整機能は便利ですが限界もあるので、追い込んだ調整には人の手が不可欠です。

アジャスターのギヤを回して伸ばしながらライニングを広げて隙間を詰めます。自動調整機構を持たないドラムブレーキやドラムインディスクにはサービスホールがあります。そのためドラムが付いた状態でアジャスターを回すことができます。アジャスターは伸び方向にのみ調整可能で、縮ませることが出来ない場合も多い。

走行状態でドラムは押し付けられているので、クリアランス確認も同様に押し付けて行います。

ドラムを付けずにペダルを踏むと、ホイールシリンダーのピストンが飛ぶので要注意!

調整、ドラムを付ける、ペダルを踏む、を繰り返してクリアランスを詰めていきます。ペダルを踏む事でライニングのあたりも出るので、室内でしっかりペダルを踏むことがポイントになってきます。

ドラムとライニングが軽く接触して、音や重さを感じるくらいを目指します。

 

広すぎるクリアランスは制動力の不足や、空走距離の増加、サイドブレーキの不良に繋がります。逆にクリアランスが狭すぎるとブレーキの引きずりに繋がります。

今回やったようにドラムを外して調整を行っていれば、クリアランスの詰め過ぎは起こりにくいです。

 

要点さえ押さえれば、時間がかかっても大惨事にはなりません。

きちんと構造を理解し正確に作業すれば、ドラムブレーキの調整は難しくありません!

しかし止まるという大事な機能を持つブレーキなので、わからないことがあればすぐに工場に持って行きましょう!